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プロジェクトの「デスマーチ」を防ぐ PMOアサインして予実管理、リソース管理を委任

  • 誠 【JPS】高根沢
  • 9月29日
  • 読了時間: 5分

デスマーチは「誰のせいでもない」構造的な問題である



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プロジェクトの「デスマーチ」とは、スケジュール遅延の常態化と、メンバーの長時間労働・疲弊が極限に達した状態を指します。


もしあなたのプロジェクトが今、この状態に陥っている、あるいはその兆候があるのなら、それはプロジェクトマネージャー(PM)やメンバーの能力不足ではなく、「デスマーチを避けられない構造的な要因」が組織に潜んでいる可能性が高いです。


今回は、多くの企業でプロジェクトを機能不全に陥れている、デスマーチを引き起こす

3つの構造的な要因を深く掘り下げて解説します。



デスマーチを引き起こす3つの「構造的な要因」



要因1:「多重アサイン」によるリソースの失敗


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プロジェクトがデスマーチに陥る最初の引き金は、リソース計画の失敗です。


  • 問題の構造: 複数のプロジェクトが並行して走っているにも関わらず、各PMが「自分のプロジェクトに必要なリソース」だけを主張し、全社的なリソース状況の全体像が把握できていない。


  • 発生メカニズム: 優秀なメンバーほど「プロジェクトAに80%、プロジェクトBに50%」といった多重アサインを受け、結果として彼らの稼働率は常に130%を超えた状態が常態化します。これは計画ではなく幻想であり、どこかのプロジェクトが必ず破綻する構造を生み出します。


  • 現場への影響: メンバーは常にタスクの切り替えに追われ(コンテキストスイッチ)、実質的な作業効率が低下。燃え尽き症候群を引き起こします。




要因2:「予実乖離」の早期発見ができない組織構造


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プロジェクトが一度遅れ始めると、挽回が不可能になるのは、「遅延が深刻化するまで誰も気づかない」という組織の報告体制の問題が原因です。


  • 問題の構造: 予実管理が「会議のための報告」に終始し、実態を伴わない形骸化した報告データが上がってくる。または、進捗報告が定期的であっても、PMがリカバリーを試みるあまり、本当の遅れを隠蔽してしまう文化がある。


  • 発生メカニズム: 計画上の工数と、実際に費やされた工数(実)との乖離が組織の標準的なアラート基準として設定されていないため、PMが「何とかできる」と思い込んでいるうちに、解決不可能なレベルまで遅延が深刻化します。


  • 現場への影響: 手遅れになって初めて「残業で何とかする」という非生産的な指示が飛び交い、残業が常態化します。



要因3:「属人化とブラックボックス化」による負荷の集中


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プロジェクトのキーパーソンがデスマーチの最大の被害者になるのは、組織にスキル管理の仕組みがないからです。


  • 問題の構造: 「このタスクはAさんしかできない」という属人化が放置されている。誰が、どのようなスキルセットを持っているか、どのタスクにどれだけ時間を要するかというノウハウが、個人のPCや記憶の中にブラックボックス化している。


  • 発生メカニズム: 技術的に困難なタスクや、過去の経験が必要な重要タスクが常に一部の優秀なメンバーに集中。彼らのキャパシティがボトルネックとなり、プロジェクト全体の流れを堰き止めます。


  • 現場への影響: ボトルネックとなっているキーパーソンが激務になり、精神的な余裕を失うことでミスが増加し、さらなる遅延を招くという悪循環に陥ります。



デスマーチの発生を防ぐために、組織が取るべき「視点転換」


上記のような構造的な要因は、PM一人、あるいは一つのプロジェクトチームの力で解決できるものではありません。


これらの問題を解消し、プロジェクトを健全に成功に導くためには、組織全体が「プロジェクトのリソースと進捗を全社的な資産として管理する」という視点転換が必要です。


この視点転換を実現するための「仕組みと中立的な機能」こそが、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)です。


PMOは、各プロジェクトのPMから独立した立場で、以下の機能を提供することでデスマーチの構造を破壊します。


  1. リソース全体の可視化: 全プロジェクトのリソースとスキルを俯瞰し、最適なプロジェクト リソース配分を調整する。

  2. 予実管理の標準化: 予実乖離を早期に検知するための統一された報告ルールとアラート基準を導入する。

  3. 負荷の平準化: 属人化を解消するためのプロセス標準化と、スキルアップを通じたリソースの多角化を推進する。



解決の鍵は「PMO」という仕組みの導入



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もし貴社が、プロジェクトの炎上やデスマーチが特定の個人の問題ではなく、組織全体の問題だと認識しているならば、それはPMOコンサルティングを検討するタイミングです。


プロシアコンサルティングは、プロジェクト運営のプロとして、貴社のデスマーチを引き起こす構造的な要因を特定し、実効性の高いPMO機能の構築を支援します。




プロジェクトを健全な成功に導くために


貴社のデスマーチが「誰のせいでもない構造」から生まれているなら、解決策もまた「誰か一人の頑張り」ではなく、「組織の仕組み」から生まれます。


リソース計画予実管理の仕組みを変え、プロジェクトを常時コントロール可能な状態にしませんか?


貴社のプロジェクトの現状を診断し、デスマーチを構造的に回避するための具体的なロードマップをご提案します。


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