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PMの負担軽減のために、PMOが果たす役割とは

  • 誠 【JPS】高根沢
  • 10月8日
  • 読了時間: 4分

日々の定常業務とは異なり、「プロジェクト」には常に未知の要素がつきまといます。新しいシステムの導入、未経験の技術開発、新規事業の立ち上げ これらには、前例のない作業や予測不可能な事態が内包されています。


今回はプロジェクトの「未知」という特性と、その中でプロジェクトマネージャー(PM)が直面する課題、そしてPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)がいかにしてその「未知」を管理し、PMを成功へと導く「道」を作るのかについてです。



1. プロジェクトの宿命:定常業務とは異なる「未知」によるPM負担の増加


定常業務が「確立された手順に従って、予測可能な結果を出すこと」であるのに対し、プロジェクトは「独自の目標を達成するために、期限とリソースの制約内で、未経験の作業を行うこと」です。この「未経験の作業」には必ず未知の要素が含まれます。


  • 技術的な未知: 新しい技術の習得や、予期せぬ技術的課題の発生。

  • ビジネス上の未知: 市場の変化、顧客ニーズの予測困難性。

  • 組織的な未知: 関係部署との連携、新しい役割分担。


こうした未知の側面があるため、プロジェクトは計画通りに進まないことが往々にして発生します。

時には予測不可能な事態に見舞われ、計画の大幅な見直しや、根本的な方向転換を迫られることもあります。



2. PMの真価が問われる場所:予測不可能な「未知」への対処


本来、プロジェクトマネージャーの真価が発揮されるのは、この予測不可能な「未知」の事態に対し、迅速かつ的確に「決断」を下し、プロジェクトを正しい方向へ導くことです。


発生した問題の本質を見極め、解決策を立案し、ステークホルダーと調整し、チームに指示を出す——これこそが、PMに求められる最も重要な役割です。


しかし、多くのPMが現実にはその「未知」と向き合う時間や労力を十分に確保できていません。



3. PMを未知から遠ざける「日常の管理業務」という壁


PMが「未知」への対処に集中できない原因は、膨大な**「日常の管理業務」**にあります。

  • 細かな進捗管理:各メンバーからの進捗報告の収集、整合性チェック、スケジュール更新。

  • 厳格なコスト管理:予算実績の比較、差異分析、費用承認。

  • 課題管理:発生した課題の記録、担当者アサイン、解決状況の追跡。

  • リスク管理:潜在的リスクの特定、評価、対策の立案。

  • 会議設定と議事録作成資料作成各種調整


これらの管理業務は、プロジェクトを安定的に進める上で不可欠です。しかし、本来はプロジェクトメンバーや各担当者が自律的に対処すべき内容でもあります。


ところが、メンバーもそれぞれの業務で多忙を極めているため、管理業務がPMに集中しがちになり、結果としてPMの負担が増大し、本来の「未知」への対処がおろそかになってしまうのです。



4. PMOの管理代行が切り拓く「未知」への道筋:PMの負担を軽減しを本来の役割へ


ここで、プロジェクトマネージャーの強力な味方となるのがPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)です。


PMOは、PMが多大な時間を費やしている進捗管理、コスト管理、課題管理、リスク管理、情報共有、会議運営といった「日常の管理業務」を専門に行う組織や機能です。


PMOがこれらの管理業務を体系的に担うことで、PMは膨大な雑務から解放されます。


PMOは、常にプロジェクトの客観的な状況を把握し、PMが迅速な意思決定を下せるよう、正確でタイムリーな情報を提供します。


PMOは、例えるなら、プロジェクトの「未知」の森に対して、PMが歩ける「道」を切り拓く存在です。


PMOがその道を整備し、障害物を取り除き、道の状態を報告することで、PMは安心して「どの道を選ぶか」「どの方向へ進むか」という、最も重要な**「決断」**に集中できるようになるのです。


まとめ:PMOは「未知」を乗り越えるための羅針盤


プロジェクトの成功は、PMが「未知」の課題にいかに迅速かつ的確に対処できるかにかかっています。

PMOは、PMを日常の管理業務から解放し、プロジェクトの「未知」と真剣に向き合い、道を選び、切り拓くための「羅針盤」としての役割を果たします。


もし貴社のプロジェクトが「未知」の壁にぶつかり、PMが日常業務に忙殺されていると感じるのであれば、PMOの導入がその解決策となるでしょう。


PMOは、貴社のプロジェクトを成功に導くための強力なパートナーです。



 
 
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